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最新ランジェリートレンド



この夏の肌着傾向
肌着の原点にかえる2012年 (ジャーナリスト 武田 尚子)
※ 武田尚子(たけだ なおこ)
ジャーナリスト。ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
世界のインナーウエアトレンドの発信拠点「パリ国際ランジェリー展」の取材を1987年から始め、
年2回の定期的な海外取材は四半世紀に及ぶ。
年々、その良さが見直されてきた「夏に肌着」の習慣。それが、昨年の「節電」を契機に、より定着を見せています。 高温多湿な気候風土に対応し、日本では長年にわたって、世界に先駆けたハイテク素材の研究開発が進められてきました。直接肌に触れる肌着は、機能素材の効果が一番よくあらわれるものです。 ただ今年は、従来とは少し違った動きがあらわれています。
綿100%素材で「接触冷感」「通気性」「速乾性」も
これは秋冬物も同様ですが、今年は肌着の原点にかえったかのように、これまでの化合繊に加え、新しい傾向として天然素材を使ったものが注目されています。 天然素材、なかでも夏の綿素材へのニーズは大きいものがあります。これを受けて今年は、綿100%の素材でありながら、「接触冷感」*「速乾性」「通気性」といった機能性に富んだものが開発されているのです。これが可能になったのは、糸と生地に施された特殊な加工技術のおかげです。また希少な糸を使用するなど、風合いについても工夫が見られます。 ベタつき解消の加工を施したマイクロモダール、熱伝導性にすぐれたレーヨンとナイロンの混紡やテンセル混のタッチクール(接触冷感)素材を主力商品に掲げたメーカーもあります。化学繊維の中でも天然繊維素から作られるこれらの再生繊維は、もともと吸湿性や染色性にすぐれていることから、既に肌着に多く使われています。また、ポリエステル糸による熱線対策やUVカット、抗菌防臭、透け防止などの機能性も欠かせません。 ニットの編み方の変化も、フライス、リブ、メッシュと、爽やかな肌触りのものがそろっています。
素材に肌が触れた時、肌がひんやりと感じられる機能。素材の熱伝導性が高く、触れた瞬間、接触した素材に肌表面の体温が奪われることによって、冷たく感じる
服の下に着用しやすいものが充実
アウター感覚で着られるTシャツタイプはすっかりおなじみですが、今年はどちらかというと肌着の基本にかえったベーシックなタイプが目につきます。シンプルなものからレーシィなものまで、色もナチュラルなベージュから優しいパステル調まで、インナーウエアとして合わせやすいものが充実しています。 フリーカット始末により、ラインがアウターに響かないものも人気です。 トップはキャミソールをはじめ、いろいろな袖丈や胸元の開きの変化に富み、ボトムも丈の種類を選ぶことができます。 また、脇部分に汗取りパットの付いたインナーが、近年、すっかり市場に浸透しました。手持ちのインナーに付け替えができる汗取りパットのパーツ単品としては、脇と並んで汗をかきやすい部分である胸の谷間専用の汗取りパットも登場しています。
このように、ひと言で「肌着」といっても、実に多種多様なものが開発されています。
下着売り場に足を運んで、実際にその感触や着心地を確かめてみませんか。
快適な夏を過ごすためのヒントがつまっていますよ。
 
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