ジャーナリスト:武田尚子
2016年の年明け間もない1月13日から17日までの5日間、東京・南青山のスパイラルガーデンで、NBF主催によるランジェリー展覧会が開かれました。昨年夏から同協会会員企業メンバーによる実行委員会によって企画が進められてきたものです。
ブラジャーをはじめとするファンデーションの陰に隠れ、近年は存在感が薄れていたスリップなどのランジェリー類。その復活と見直しの契機となるイベントとして、どうしたらその魅力を表現できるかに重点が置かれました。
「秘密のワードローブ ~Meet Lingerie~」と名付けられた同展は、大きく3つのゾーン(世界)で構成されていました。
まず、来場者を迎えたのは、ランジェリーをテーマしたアート作品。陶芸にマネキンのボディペインティングと、3人の現代アーティストがランジェリーの神髄にそれぞれアプローチしていました。
“センスオブワンダー”を感じさせるガーデニングの空間演出に導かれるように、ギャラリーを進んでいきます。この自然にあふれたクローゼットの散歩道は、古来の自然哲学思想をベースにしたファイブエレメンツ(五大元素)のテーマごとに、各社の既存商品がブランドミックスで紹介されていました。ランジェリーと一言でいっても、既に多様なアイテムやスタイルが市場に展開されていることを伝えていました。
【風・wind】
まるで風が通り抜けていくような、軽やかで優しいパステルカラー
【空(くう)・void】
肌にしっくりなじむようなスキンカラー、コスメカラーのバリエーション
【地・earth】
紫系やグリーン系をはじめとするシックなアースカラーで大人の装いを
【水・water】
透明感のあるブルーやホワイトは、流れる水のようにクリーンなイメージ
【火・fire】
黒と赤などコントラストの強い色の組み合わせが、ハートに火をつける
そして奥のゆったりしたスペースのアトリウムは、出展各社による近未来のランジェリーを着用したマネキンが並ぶステージ。ハンドクラフトの魅力あふれるレースや装飾を施したものから、自由な着こなしのできるスタイル、ブラやショーツで人気の接着技術を利用したシンプルなものまで、次世代につながる新しいランジェリーがドラマチックに提案されていました。
実用性や機能性とはまた少し違うところで、見に着けることの楽しさや満足感、夢を与えてくれる…。ランジェリーの大いなる可能性を発見する展覧会になったことは間違いないでしょう。
イーゲート
ロゼッタいっぱい、アクセサリーのように楽しむ
澤村
薄くドレープ感にあふれたオリジナル素材で軽やかに
カドリールニシダ
“パーティ”シーンで活躍
島崎
着こなしいろいろ
トリンプ・インターナショナル・ジャパン
クラフトマンシップにあふれたミニマルなランジェリー
プルミエ
ヴァイオレットをテーマカラーに
ユタックス
接着技術を応用し、ランジェリーならではのシルエットを
ルシアン
二極化していくランジェリーを表現
ワコール
「ツインジェリー」の3変化