文化服装学院・日本ボディファッション協会主催
女性下着のデザイナー・パタンナーを目指す方の特別講座」

テーマ:ブログ

2019-11-01 00:00:00

下着業界で活躍する人材を育成することを目的とした文化服装学院・日本ボディファッション協会(以下、NBF)主催の初の試み「女性下着のデザイナー・パタンナーを目指す方の特別講座」が先日、一つの区切りを迎えました。
この講座をスタートするためのプロジェクトが発足したのは2017年3月。
学界・産業界の方々から現状をお聞きする事から始まり、多くの方々のアドバイスやご協力を経て、今年5月18日に開講した講座で、10月5日に受講生のプレゼンテーションを行い、17名の方が修了証を手にしました。
全11回にわたる同講座の内容を紹介しましょう。
1. 下着の歴史・業界動向、国内外の情勢/商品企画総論
2. 商品の基礎知識/ミシンの種類と縫製の基礎知識
3. 特別課外授業(ピーチ・ジョンとワコールのプレスルーム訪問)
4. インナー素材の基礎知識/レースの歴史と基礎知識
5. マーケットリサーチとその分析、マーチャンダイジングの基本/デザイナワーク オリジナル ブラ&ショーツ企画立案
6. パターンメーキング基礎
7. 特別課外授業(「パリ モードシティ」トレンドセミナー)
8. CGを利用してのデザインワーク実習
9. CADによるパターン作成
10. デザインワークオリジナル ブラ&ショーツ デザイン画作成 /デザインワークIllustrator・Photoshopを使用したデザイン画作成
11. オリジナル ブラ&ショーツ デザイン画のプレゼンテーション
受講者は文化服装学院の学生、NBF会員企業の方、一般の方でいずれも将来は下着のデザイナー・パタンナーになりたい、今の仕事をもっと深く追求したい、そんな思いから参加してくださいました。
講師はNBF会員企業の第一線で活躍されているプロフェッショナルの皆様。
私も何度が拝聴しましたが、企業の大切な資料や知見を惜しみなく提供してくださり、現場を知る方ならではの実務的な指導は非常に有意義で充実した内容でした。

現在は、服飾専門学校でも下着についての授業はほとんどなく、就職した後に、基礎からあらためて学ぶのが現状です。
今回の講座を受けたことで、すぐにデザイナー・バタンナーとして通用するのは難しいかもしれませんが、その土台作りとなる事を願います。


折しも、企業と学生の関わりにまつわるニュースが届きました。
一つは、トリンプ・インターナショナル・ジャパンが日本の文化服装学院、香港のPOLYTECHNICの2校とコラボレーションし、限定コレクションが発売されたというもの。
https://jp.amos-style.com/s/collabo
2校でコンテスト形式にてデザインを募集し、グランプリを受賞した学生のデザイン画をもとにアモスタイルが商品化したもので、10月31日に発売されました。
また、グッチは人材育成のための多文化デザイン奨励金プログラムのファイナリストの中から11人の学生デザイナーを選出し、選ばれた学生は2020年3月から1年間、グッチのデザインチームに参加するというもの。
日本からは文化服装学院が参加しています。
https://www.wwdjapan.com/articles/97032

いずれも夢があっていいですよね。
同講座は来年春も開講予定とのこと。
興味がある方は、NBFにお問い合わせくださいね。
そして、デザイナー・パタンナーの卵を育てるのも大切ですが、その前に、下着に興味を持ってもらうこと、自らが輝き、活躍する場として下着業界を選択肢の一つとしてもらう事も重要。

私も何かそのきっかけを作るお手伝いができればと思います。