女性の新しい選択 吸水ショーツ「Nagi(ナギ)」のポップアップストアへ

テーマ:ブログ

2020-12-17 00:00:00

2020年の下着業界トピックスの一つに「吸水ショーツ」があげられるのではないでしょうか。
今年に入り、女性起業家や美容家などが続々とこの「吸水ショーツ」市場に参入して新たなフェムテックアイテムとして注目が集まり、「Bé-A(ベア)」はクラウドファンディングで1億円を超える支援金を調達し話題となりました。
6月にはベイクルーズが展開する「エミリーウイーク」が、米国の吸水ショーツでこのムーブメントの先駆けである「THINX(シンクス)」を輸入販売し、10月には自社でもオーガニックコットンでできた吸水ショーツを製造し発売。
先日は、「GU(ジーユー)」が2021年春に吸水ショーツを発売すると発表。これからさらにプレイヤーが増え、市場が盛り上がりそうな気配です。
そんな中、5月に発売された「Nagi(ナギ)」が初めてのポップアップストアをオープンすると聞き、早速お邪魔してきました。店内の作りや商品の見せ方など、既成概念にとらわれない表現がとても興味深かったのでレポートしたいと思います。
「Nagi」は石井リナさんが代表を務めるエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」が展開するブランド。スタンダード(3,400円)、スリム(5,250円)、フル(5,800円)の3つのデザインで、スタンダードタイプは1枚でおよそナプキン3枚分の吸収量(30mL)があります。素材は防臭機能、制菌効果があり、生地も製造もメイドインジャパン。パッケージ包装はプラスチック素材を一切使わず紙素材のみを使用しています。
石井リナさんは18年に起業して「BLAST」を立ち上げ、19年に日本を代表するビジョンや才能を持った30歳未満の30人を表彰する「Forbes 30 Under 30」インフルエンサー部門を受賞した人物。
ブランドがデビューした際、石井さんは「女性をエンパワーする上で、私たちにとって身近だけれど、まだまだ選択肢が少なくポジティブではない問題に向き合いたいと思いました。生理もまさにそのひとつだと思います。もっと快適に、生理とうまくつきあう方法がきっとある、そんな思いからこの下着は生まれました。150人の女性たちの声を聞き、約1年半の開発期間を経て、できあがった1枚です。 自分の身体をコントロールすることは、自分の人生をコントロールすることだと、私たちは考えています。Nagiが、あなたの身体や生活と向き合うきっかけになったら嬉しいです」と語っています。
フォトグラファー守本勝英さんが撮影したイメージビジュアルも素敵で、等身大の女性のライフシーンを切り取ると同時にとてもファッショナブル。それは従来の生理用品のイメージを覆すようです。
表参道から入った小道に面した店舗は全面ガラス張り。生理用品を販売しているからと通りから隠さず、ショーツが見えるようにディスプレイ。もちろん、訪れた女性達はその中で楽しそうにスタッフと話しながら買い物していました。
店内はブランドカラーであるグリーンを基調としたインテリアで、壁にはメッセージと独自の4重構造についての説明が大きく記されていました。
写真を撮らせてもらうのを忘れましたが、スタッフのユニフォームはカーキのオールインワン、ツナギだったのもとても可愛かったです。
広い空間に3型のみ(各3〜5色展開)のショーツをシンプルに並べるディスプレイとガラスから降り注ぐ自然光と相まって、とても心地いい空間。
女性専用、生理用品というと、ピンク、お花、リボンといった色やモチーフが多用され、売り場でも「隠す物」として扱われてきたような気がします。その既成概念を覆すような提案に驚きさえ感じました。
石井さんは、WWDのインタビュー(https://www.wwdjapan.com/articles/1141904)で「女性の用品=ピンクというブランドやモノもまだまだ多いと感じています。紙ナプキンでは経血を吸収するとハートが浮き上がるという経験もあり、女性性やステレオタイプの押し付けにうんざりしたこともある」と語っていますが、同じ思いを抱く女性は想像以上に多いのかもしれません。

最近は「フェムテック」という言葉も浸透し、女性の心や体の健康をサポートする様々なアイテムが販売されています。2021年は女性の体をよく知る下着メーカーからも画期的なアイテムが登場するかもしれませんね。